ワインの地理的表示「山梨」の指定

                          平成25720

                          高橋 梯二

1日本で最初のワインの地理的表示指定

平成25716日国税庁は告示によりワインについて地理的表示「山梨」を指定した。これは、地理的表示基準(平成61216日付国税庁告示)に基づく指定で、4月より山梨県酒造組合から申請が出されていたものである。

この指定によればワインの地理的表示について、国は、独自の制度
sui-generis)によって保護することとしたと解釈される。甲州ワインを含みEU市場に輸出される地理的表示「山梨」のワインは産地表示が可能となり、さらに、「樽発酵」や「樽熟成」などの表示も可能となることが期待される。また、ワインについて「山梨」の産地名称は、知的財産権として保護され、また、海外においても保護される基礎ができたことになる。

2 地理的表示「山梨」の生産基準

(1)  産地の範囲: 山梨県

(2)  醸造する原料:山梨県産ブドウ100%使用

(3)  ブドウの品種の特定

  甲州

  ヴィニフェラ種

  その他の品種

   マスカット・ベーリーA、ブラック・クイーン、
   ベーリー・ア リカントA、
甲斐ノワール、甲斐ブラン、
   サンセミヨン、デラウエア

(4) 醸造するワイン

@   山梨県内で醸造、容器詰めしたワインであること。

A    最低アルコール%:辛口8.5%以上、甘口4.5%以上

B    補糖量:補糖したワインのアルコール%は、14.5%以下とする。

C    アルコール添加は禁止する。

D   山梨県ワイン酒造組合が定めた官能検査制度により官能検査を実 施し、品質の維持・向上を担保する。

3 官能検査

(1) 地理的表示をしようとする者は、生産の条件を満たしている旨を証明する申請書(参照1及び2を含む)及び当該ワインの分析値、その他必要な事項を添付して山梨県ワイン酒造組合に提出する。

 参照1

  品種名を表示できるブドウの使用割合

  甲州については100%使用する場合に限る。ヴィニフェラ種及び  その他の品種については、「国産ワインの表示に関する基準」  第6条4、品種の基準に準ずるものとする。

    参照2 糖度基準

      最低果汁糖度を甲州14.0度以上、ヴィニフェラ種18.0度以上、      その他の品16.0度以上の原料を使用していること。ただし、      気象条件に 恵まれない年は1.0度下げる。

(2)  申請された官能検査を行うに先立ち、申請書、分析値その他の事項を山梨ワイン酒造組合が審査・確認を行う。分析値は、比重、アルコール度、エキス分、総酸、揮発酸、総亜硫酸とし、これらの値が妥当かどうか審査をする。

(3)  山梨県ワイン酒造組合の技術部会の職員及び同部会が任命した官能検査員が官能検査を実施する。官能検査パネルの平均点を基礎として合否を判定する。

   (4)山梨県ワイン酒造組合長は、合否の結果をワイン提出者に連絡     する。

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