ブレスの鶏の生産条件に関する政令

  ーブレスの鶏(Volaille de Bresse)又はブレスの若鶏(Poullet de Bresse)、ブレスの雌若鶏(Poularde de Bresse)、去勢鶏(Chapon de Bresse)のAOCに関する生産と協定の条件を定める政令 (1995年1月4日)ー

第1条 本政令は、ブレスの鶏又はブレスの若鶏、ブレスの雌若鶏、ブレスの去勢鶏のAOCに関する生産と協定の条件を定める。

 このAOCの生産の地域は、1957年8月1日付け法律第2条に定められた地域とする。

第2条 ブレスの鶏又はブレスの若鶏、ブレスの雌若鶏、ブレスの去勢鶏のAOCを使用するためには、鶏は、ガリュス(Gallus)属に属し、ゴーロワーズ(Gauloise)又はブレス種に属し、白変種(Variete blanche)に属していなければならない。また、成長した段階では、以下のような一定の外見上の特徴を有していなければならない。

ー 羽は、頚繊毛を含み完全に白

ー なめらかな四肢、青か青みがかった4つ指、一つの親指

ー 大きな切り込みのある単一のとさか、赤い肉髭

ー 白又は赤の砂を撒いたような耳

ー 薄い皮及び白い肉

 去勢鶏については、ケージ飼育(epinette)までには、とさかと肉髭が完全に消滅していなければならない。

第3条 鶏が前条に定める特徴を維持するため、選抜(selection)は、以下の条件を満たしていなければならない。

ー 選抜は、血統(genealogique)によるものでなければならない。

ー 親の系統は、フランス養魚及び養鶏選抜者組合(Sysaaf)によって認められたものでなければならない。

 選抜センターは、以下に定める選抜委員会によって定められた目的に合致していなければならない。

 選抜センターは、第4条に定められた孵化センター(centrs daccouvage)以外には、選抜の過程から生ずる卵及び雛鶏を再生産用に販売することはできない。

 選抜センターは、地域農林当局の家畜衛生部の公的衛生管理の下になければならない。

 選抜委員会は、ブレスの鶏の選抜の方針、特に種の保存の方針を定めることを目的とする。委員会は、以下のメンバーで構成される。

ー 生産者グループの代表者3名

ー 生産者組合の代表者2名

ー ブレスの鶏職業委員会(CIVB)の代表者1名

ー Sysaafの代表者1名

ー 選抜センターの代表者1名

ー INAOから指名された科学機関の代表者1名、委員会の議長とする。

第4条 孵化センターは、第3条の条件を満たしている選抜センターから再生産の目的で卵及び雛鶏を購入しなければならない。

 孵化センターは、地方農林当局の家畜衛生部の公的衛生管理の下になければならない。

 孵化業者は、AOCのブレスの鶏又はブレスの若鶏、ブレスの雌若鶏、ブレスの去勢鶏の生産を行おうとする飼育者に雛鶏の数、出荷の日を記載した販売証明書を発行しなければならない。

第5条 本政令に定めるAOCの鶏の飼育を行う者は、自分の経営において本政令に定めるAOC呼称を使用する鶏以外に、ガリュス属の肉の鶏を飼育してはならない。

第6条  AOCブレスの鶏又はブレスの若鶏、ブレスの雌若鶏、ブレスの去勢鶏は、地域の、忠実な、継続的な用法に従って、最高35日間と規定される初期飼育(demarrage)の期間後は、草の生えた放し飼い地(parcours herbeux)の下で飼育されなければならない。

 群で飼育を行う場合は、一鶏舎の群の数は500羽を超えてはならない。ただし、現存する飼育にあっては、また1998年1月1日までは、500羽の群が二つまでは認められる。

 属、種の異なる鶏及び年齢の異なる鶏の同一群における混合は、鶏舎においても放し飼い地においても禁止される。

 鶏が放し飼い地に自由に入れるようにしておかなければならない。

 初期飼育の期間の後の飼育期間は、最低次ぎのとうりとする。

  若鶏については、9週間

  雌若鶏については、11週間

  去勢鶏については、23週間

 この飼育期間の後、最低次ぎの期間ケージ飼育による仕上げ(finition)が行われる。

  若鶏については、8日間

  雌若鶏及び去勢鶏については、4週間

 鶏の飼育に関する基準は以下のとおりとする。

 1 初期飼育期間

   この期間中雛鶏は、雛箱(poussiniere)で飼育することができる。

 2 飼育期間

  (a) 屋根のある閉じた鶏舎では、1平方メートル当たり最高10羽   とする。

  (b) 草の生えた放し飼い地は、1羽当たり最低10平方メートルな   ければならない。

  (c) 放し飼い地のローテーション計画は次ぎのとおりとする。

    ー 放し飼い地が一つ備わった固定鶏舎にあっては、1年間に      最高2群

    ー 放し飼い地が二つ備わった固定鶏舎にあっては、1年間に      最高3群

    ー 移動鶏舎にあっては、1年間に最高3群、ただし、鶏舎は、      各群が使っていない部分に移動させなければならない。こ       の場合、草のある放し飼い地が最低1haなければならない      。

   1群の羽数の年間の計算は、365日を単位として行われる。

  200m以下しか離れていない鶏舎で異なる年齢の群が飼育されている場合は、群が混合しないよう放し飼い地は、囲いによって分離されていなければならない。

   複数の群で同一の年齢の鶏が飼育され、それらの群が同一の放し飼い地を使用している場合は、放し飼い地の鶏の合計羽数は、1500を超えてはならない。また

  、飼育の鶏舎は、互いに50m以上離れていなければならない。さらに、放し飼い地の鶏の密度に関する条件は、守られていなければならない。

3 仕上げ期間

   ケージ飼育の場所の数は、群の数の少なくとも3分の1でなければならない。この期間Desonglages及び Dedecquagesは、禁止される。ただし、軽度の Epointagesは、認められる。

第7条 初期飼育期間及び放し飼いの期間において飼料は呼称の地域のみからの穀物(とうもろこし、そば、小麦、オート麦、Triticale)並びに乳及びその加工品のみで構成されたものでなければならない。

 穀物については、火を通すこと、砕くこと、製粉の加工のみが認められる。

 乳については、全乳であれ脱脂乳(Serum de fromagerie, babeurre)であれ液体状又はパテ状で鶏に与えることができる。

 添加物を含み、すべての補助的な物質の使用は、固形又は液体状の飼料、乳製品及び飲料水において禁止される。

 ケージ飼育においては、米を飼料に加えることができる。

 薬品の使用は、獣医の処方によって行われ、予防措置は、獣医部の指令によって認められた計画によって定められる。この計画は、第15条に規定する省令によって定義された条件の下で作成される。屠殺前の3週間は、薬品処置は、すべて禁止される。

第8条 第6条及び第7条に規定する条件に加え、AOCブレス雌若鶏及びブレス去勢鶏の飼育に関する基準は以下のとうりとする。

ー 去勢鶏については、去勢後は、鶏舎において1平方メートル当たり最大6羽

ー 雌若鶏については、鶏舎において1平方メートル当たり最大10羽

ー ケージ飼育前に爪を短くすることを義務とする。

 AOCブレスの去勢鶏はクリスマスの祭日のある年末の期間のみにしか生産できない。

 これらの鶏は、用法に従って、植物(亜麻、麻、綿花)を原料とする布にまかれ、縛られなければならない。布でまき縛る技法は、第15条に規定する省令において定める。これらの産品は、まき戻しをした後でなければ消費者に販売することができず、また、oblongueの形で陳列されなければならない。

 AOCブレスの雌若鶏の産品は、12月20日から1月5日以外の期間は、前文に定められた条件の下で布まきで縛ることなく販売ができる。 

第9条 AOCブレスの鶏又はブレスの若鶏、ブレスの雌若鶏、ブレスの去勢鶏の呼称で販売することを目的とする生きた鶏は、脂肪ののりがよく、scapulaire静脈が脂肪におおわれた表皮によって見分けがつかないようになっていなければならない。

 出荷又は集荷(enlevement)の際に鶏は、若鶏にあっては最低1・5kg、雌若鶏にあっては2・2kg、去勢鶏にあっては3・8kgなければならない。

 農場から出荷される前に、鶏は、第11条に定める飼育者の輪(bague)が左足に付けられなければならない。

第10条 AOCの下でブレスの鶏又はブレスの若鶏、ブレスの雌若鶏、ブレスの去勢鶏の呼称で販売される鶏は、手作業による血抜きが行われなければならない。

 羽抜き(plumaison)は、乾燥状態あるいは52度c以下の湯に浸して行われなければならない。

 羽抜きの仕上げ、collerettes を拭くことeffilage又は eriscerationは、手で行わなければならない。

 effileeされた屠殺鶏は、最低次ぎの重量がなければならない。

  若鶏にあっては、1・2kg

  雌若鶏にあっては、1・8kg

  去勢鶏にあっては、3kg

 最低3時間のressuyageの後、鶏は、[AOCクラス用鶏」及び「クラス分け前の鶏」の区分のついた運搬車に入れ冷蔵庫に搬入される。

 識別マーク(封印(scelle)、ラベル(etiquette)、印(sceau)は、出荷の際のみに付けられる。封印及び印は、鶏の頚の元の位置に付けられる。

第11条 屠殺鶏については、飼育者の輪、屠殺者の封印、本条に規定するラベルが同時に付いているのでなければ、また、去勢鶏と雌若鶏についてはこれらに加え認識印(sceau didentification)が同時に付いているのでなければ、ブレスの鶏又はブレスの若鶏、ブレスの雌若鶏、ブレスの去勢鶏のAOCの呼称で販売することはできない。

 輪及び封印は、譲渡できず、それぞれその保有者が独占的に使用する。これらのマークは、1回しかしか使用することができず、また、違反がおきないよう添付は、丁寧に行わなければならない。

 生産者の輪は、「ブレス」の語のほか生産者の名前、住所及びブレスの鶏職業委員会で認められた認識サインのある環の形とする。

 屠殺者の保証封印は、表面に「ブレスの鶏職業委員会」の記載がある金属の留め金の形である。屠殺場での屠殺の場合は、屠殺業者の名前、raison social 及び住所を裏面に表示する。飼育者の農場での屠殺の場合は、封印の裏面に農場屠殺の表示が含まれなければならない。

 ラベルは、ブレスの鶏職業委員会によって決められ、AOCの表示が含まれていなければならない。

 去勢鶏及び雌若鶏を識別する印(sceaux)のモデルは、ブレスの鶏職業委員会によって決められる。この印は、少なくとも「ブレスの去勢鶏−AOC」又は「ブレスの雌若鶏−AOC」及び印を付けた年の表示がなければならない。

 上記の各種認識マークは、ブレスの鶏職業委員会から発行される。

 生産の場所において諸条件が守られていないと認められる場合は、委員会は、これらのマークの発給を停止し、又は取り戻す。

 各種認識マークの発給の方法の詳細は、第15条に規定する省令で定める。

第12条 屠殺鶏は、effileeの形で販売されなければならない。

 調理準備済み(pret a cuire)の提供は若鶏のみに認められる。その場合、爪を除き足は、切断してはならない。

 若鶏は、肉が良い状態で、フィレが発達し、皮膚が清潔で、sicotsがなく、裂け目、あざや色の異常があってはならない。また、背骨が脂肪によって見えないようになっていなければならない。胸骨の自然な形は保持されなければならない。脚は骨折させてはならない。頚の上部3分の1に維持される羽のcolleretteは、清潔でなければならない。手羽は、すべての汚れを取り払っていなければならない。

 冷凍での提供は、若鶏のみにしか認められない。「ブレスの鶏」又は「ブレスの若鶏」の呼称で販売される冷凍若鶏は、販売のすべての段階において保存の方法と屠殺の日付を付していなければならない。

 提供方法、出荷先如何にかかわらず、鶏は清潔な新しい包装材料に詰めて出荷しなければならない。

 ブレスの鶏又はブレスの若鶏は、ガリュス属の他の鶏と一緒に調製されてはならない。ブレスの去勢鶏及びブレスの雌若鶏は、本政令に定めるAOCの産品以外のものと一緒に調製してはならない。

第13条 選抜、孵化、生産及び屠殺センターは、第1条に定める生産の地域内に設置されていなければならない。

 「ブレスの鶏」又は「ブレスの若鶏」、「ブレスの雌若鶏」、「ブレスの去勢鶏」のAOCの呼称を得るためには、生産場所ごとの資格届け出及び産品の官能試験を必要とする。

 第1文に規定する機関は、INAOの機関に対して本政令に定める生産の条件を遵守することを約して、AOCの鶏を生産する資格届け出を行わなければならない。

 生産の条件が守られていない場合は、INAOの機関は、ブレスの鶏職業委員会の提案に基づき、INAOの農産物・食料品全国委員会によって任命される専門家で構成する委員会の意見を必要に応じて聴き、資格届け出を取り消すことができる。これは、第15条に規定する省令に定める手続きに従う。

 ブレスの去勢鶏及びブレスの雌若鶏については、生産者は、ブレスの鶏職業委員会に対して鶏の数及び生まれた日を明記した生産の実施に関する届け出を行わなければならない。

 去勢鶏については、本届け出は、ロットの鶏の去勢終了の時点行われなければならず、また、8月31日までに行われなければならない。若鶏にあっては、届け出は、ケージ飼育を実施する際に行われなければならない。

 ブレスの去勢鶏及びブレスの雌若鶏に関する特別委員会 つまり上質鶏委員会(Commission des Volailles Fines)は、前条に規定する届け出をブレスの鶏職業委員会に行った農場を訪問することを任務とする。

 この委員会の専門家代表は、ブレスの鶏職業委員会の提案に基づきINAOの農産物・食料品全国委員会によって任命される。

 資格届け出を行った屠殺場からの鶏は、INAOの責任のもとで、INAOが認めた機関による官能試験を受けなければならない。

 この試験は、また、ブレスの鶏職業委員会の提案に基づき、INAOの農産物・食料品」全国委員会が任命する専門家で構成される委員会によって行うこともできる。

第14条 ブレスの鶏の生産地域で生産される肉鶏についてラベルを付す場合は、ブレスの鶏職業委員会の意見に従わなければならない。

 本政令に定められた条件を満たしていない鶏について本政令でいう原産地呼称産品であるかのように購買者に信じさせる可能性のある表示を行った場合は、不正防止に関する一般的な法令及び原産地呼称を保護する法令によって追求される。

第15条 ブレスの鶏の生産及び流通に関する1970年7月15日付け省令は、第11条を除き廃止する。

 INAOの農産物・食料品全国委員会の意見に基づき、本政令の適用について経済大臣及び農業・水産大臣の省令を定める。

第16条 経済大臣及び農業・水産大臣は、フランス共和国官報に掲載される本政令の実施についてそれぞれの所掌に応じて責任を有する。

高橋梯二 訳

この資料は、農政調査委員会「のびゆく食品110」、1998年3月に掲載されたものである。


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