ワイン市場の保護及びアルコールの経済制度に関する法律         -AOC ワイン法―

 1935年7月30日付け法律(デクレ・ロワ)

   
   
(AOC制度に関する部分のみの翻訳)

              第3章
     原産地呼称の保護

第20条 ワイン及び蒸留酒原産地呼称全国委員会(Comité national des appellations d'origine de vins ou eaux-de-vieを設置する。委員会の性格は民事的法人(pernonalité civile)とする。

 委員会の構成及び業務に関する規則は農務省、法務省及び財務省からの提案による政令によって定める。

第21条 「統制(contrôlée)」という原産地呼称の1区分(AOC)を設ける。全国委員会は、関係する組合の意見をもとに、各AOC呼称のワイン及び蒸留酒に適用する生産の条件を定める。この条件は、生産地域、ブドウの品種、1ha当たりの収量、ワインの最低アルコール度であり、ブドウの栽培、醸造、蒸留の過程で何も加えない自然の製造を前提とするものでなければならない。全国委員会は、判決事項を実施するための1927年7月22日付法律の適用に関する決定の対象となった品種及び生産方法についての条件を変更することはできない。また、1919年5月6日付法律の適用となる地理上の地域を変更することもできない。全国委員会は、この地域の範囲内でAOC呼称の権利を有するワイン又は蒸留酒の生産地域を定めなければならない。

 各AOC呼称ワインの生産に課せられた条件に適合していなければAOC呼称で販売することはできない。

  また、本デクレ・ロワ(法律)発効時において、地域のあるいは地域の一部の名を冠した若しくは市町村の名を冠した原産地呼称産品、裁判による判決によって決められることとなる原産地呼称産品及び全国委員会が品質と知名度によってAOC呼称として分類する価値があると認める産品については、この規定が適用される。

 「シャンパーニュ」の呼称については、法律によって与えられた地位を補完し又は改正するため、特別の規則を設けることができる。また、オー・ラン(Haut-Rhin)県、バ・ラン(Bas-Rhin)県及びモーゼル県で生産されるワインについても同様とする。 

 本条によって定められた全国委員会の権限の範囲内に属する全国委員会の決定は、農務大臣の提案による官報に掲載される政令の対象となる。

第22条 上記政令の対象となり、AOC呼称の使用の権利を有するワインは、緑色の流通許可書(titre de mouvement)のもとで流通する。当該流通許可書は、当該呼称に関する政令の発効の際に生産者の生産地域にないワインについては、発行されない。ワインの生産者の家屋・倉庫から搬出されるワインについて流通許可書の発行を申請する場合は、流通の権利に関して定められた条件に合致しているワインに対してヘクトリットル当たり2フランの特別税を支払わなければならない。

  ヘクトリットル当たり2フランの特別税により徴収された金額について、4分の1は国庫に、4分の1は1931年7月4日付け法律第16条によって設立された広報基金に、残りの2分の1は本政令第20条によって設立される原産地呼称全国委員会に割り当てられる。全国委員会は、この資金によってフランス国内及び海外において呼称の保護と不正防止の対策を実施する。

第23条 全国委員会は、労働法典第1章第3条の規定に基づいて構成された職業組合と同じ条件で、フランス国内及び海外において原産地呼称の保護に貢献し、また、原産地呼称の保護のために設立された組合とこの目的のため協力することができる。

 全国委員会は、1934年12月24日付法律第15条に従って、特に原産地呼称ワインの収穫の届出と呼称についての決定に関し、法律の規則の円滑な実施に資するため、不正防止当局に対し事務を委任することができる。

 不正防止当局は、呼称ごとに生産者の栽培するブドウの品種を管理することができる。

 全国委員会は、国際貿易において、特に、貿易取決めの準備段階において原産地呼称ワインの生産者の利益を守るため、政府に対してその意見を提出する。

 全国委員会が海外貿易に関する問題及び海外における原産地呼称の保護に関する問題を検討する際は、農務大臣によって任命されるワイン及び蒸留酒の輸出貿易を代表する者5名、貿易省を代表する者1名及び外務省を代表する者1名を参加させるものとする。

第24条 AOC呼称のワインについては、請求書(factures)、ラベル、スタンプ(estampes)及びその他の外部表示において、クリュの名前以外に、原産地呼称以外の表示を行ってはならない。

第25条 1927年7月22日付法律によって改正された1919年5月6日付法律の規定すべて、特に、第1条、第13条第22条及び第23条の規定は、本政令によって定める規定の対象となるAOC呼称に適用する。 


高橋 梯二 訳
この資料は、農政調査委員会「のびゆく農業947」、2004年2月に掲載されたものである。

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