AOCワイン「マルサネー」の生産条件に関する政令
                1987年5月19日付け

第1条  以下の生産条件を満たしている赤ワイン及び白ワインについては、「マルサネー」のAOCの使用が認められる。なお、第3条に定める地域の中で生産され、それ以降の条文に定める条件を満たしているロゼ・ワインについても「マルサネー」の呼称を使用することができる。

第2条  マルサネー又はマルサネーロゼのAOCワインの生産地域は、次の3市町村の地域の範囲内に定められる。

    マルサネー・ラ・コート、  クーシェイ、    シュノーブ

第3条  マルサネー又はマルサネーロゼのAOCの権利を取得するためには、ワインは、AOC呼称の生産地域内であって、専門委員会の提案に基づき、1987年2月17日及び19日に開催されたINAOの全国委員会において認められた農地区画の中で収穫されたブドウを原料とするものでなければならない。

  区画の地図は、関係市町村の役場に置かれる。地図は、二つの異なる区画線によって区分されており、第一の区画線内は赤ワイン及び白ワインのマルサネーの呼称のワインが生産される区画であり、第二の区画線は第一の区画より広い地域をとってあり、その範囲内はマルサネーロゼの呼称のワインが生産される区画である。

第4条  マルサネーのAOCの権利を取得するためには、ワインの原料は、次のブドウの品種でなければならない。

  赤ワイン及びロゼについては、ピノノワール、ピノグリ又はブーロ、赤ワインの生産の際、用いられる製法として、白の品種のシャルドネ又はグリの品種のピノグリ及びピノブーロのブレンドは量にして15%まで認められる。

  白ワインについては、シャルドネ及びピノブラン

第5条  マルサネー又はマルサネーロゼのAOCの権利を取得するためには、ワインは良く熟した原料ブドウから造られ、自然のアルコール含有量は、赤ワイン及びロゼにあっては、10・5%、白ワインにあっては、11%以上でなければならない。

  ワイン醸造のロットごとにマスト(果汁)に含まれる糖分が1リットル当たり170グラムに満たないブドウは、「よく熟した」とはいえない。

また、糖分の添加がなされる場合にあっては、アルコール度は、重量基準で、赤ワインにあっては、13・5%、白ワインにあっては、13%、ロゼにあっては、14%を超えてはならない。この限度についての違反があれば、AOCの権利を失う。ただし、糖分添加をせず醸造したワインであれば上記のアルコール含有量の限度を超えていてもAOC呼称の使用が認められる。この場合は、ブドウの収穫以前に、要請により実施された調査に基づいて、INAOが発行する証明書によって確認されなければならない。アルコール含有量についてのこの例外は、地域の税務、公正取引、消費及び不正防止当局に通知されなければならない。

  本条に定められたアルコール含有量の限度は、気候の状況により、関係生産者の組合の意見に基づくINAOの提案によって、国務大臣、経済、財政及び民営化大臣並びに農務大臣の共同による規則で改正することができる。

第6条  1974年10月19日付け政令74ー872号の条件を満たしていなければ「マルサネー」又は「マルサネーロゼ」のAOC呼称を使用することはできない。上記政令第1条に規定する基本単収は、赤ワインにあっては、ヘクタール当たり40ヘクトリットル、白ワイン及びロゼにあっては、ヘクタール当たり45ヘクトリットルとする。上記政令第3条に規定するパーセンテッジは、20%とする。上記政令第6条に規定するパーセンテッジは「ブルゴーニュ・グラン・オルディネール」の呼称の60%とする。

  8月31日以前に植栽された年から3年を経過していない若いブドウの木のブドウを原料とするワインについてはAOC呼称の使用は認められない。

  ブドウの単収は、分類ごとに定められた最高限度の範囲内において基本単収を超えることができるが、この場合、生産者は、INAOにブドウの収穫以前に申請を行い、1974年10月19日付け政令第74ー872号第1条に規定された5人の委員から成る委員会の証明を得なければならない。

  生産者が生産の届出を行う際に、複数のAOC呼称の使用の権利を取得しようとするときは、一つのAOCに関する1ヘクタール当たりのブドウの収穫量は、他の同じカテゴリー(白、赤、ロゼ)のワインのAOC呼称に関する単収の上限を超えてはならない。ただし、INAOによって調査が行われ、適当と認められた場合は、この限りでない。

第7条  マルサネー及びマルサネーロゼのAOC呼称のワインの原料となるブドウの木は、1956年9月17日付け規則に定められた規定に従って植栽され、剪定されなければならない。

第8条  マルサネー又はマルサネーロゼのAOCの権利を取得するためには、ワインは地域の製法によって醸造されなければならず、また、現行の諸規定で認められたワイン醸造上の慣行も用いることができる。

第9条  マルサネー又はマルサネーロゼの原産地呼称を用いてワインを流通させるためには、1974年10月19日付け政令74ー871号に定められたAOC呼称ワインについての分析及び官能検査に関する条件に基づくINAOが発行する証明書が必要である。

第10条  本政令に基づいて、マルサネー又はマルサネーロゼのAOC呼称を使用しようとする場合は、収穫の届け出は収穫が終了する前になされなければならず、また、販売のため、一般に提供され、搬出される場合は、届け出、広告、内容見本、ラベル、請求書、容器などに呼称が分かり易い形で記入され、かつ、AOCであることについても言及されなければならない。

第11条  本政令に定められた生産条件を満たしていないワインについて、マルサネー又はマルサネーロゼのAOC呼称の権利を有しているかのように購入者を信じさせるような表示を行った場合は、不正に関する一般的な法律及び原産地呼称の保護に関する法律に従って罰金を含む罰則が適用される。

第12条  1986年以前に生産されたワインで「ブルゴーニュ・マルサネー」又は「ブルゴーニュ・ロゼ・マルサネー」の証明を有しているワイン及び1986年に生産されたワインで上記呼称の申請がなされているワインについては、次の場合にマラサネー又はマルサネーロゼのAOC呼称が認められる。

  (1)ブドウの単収に関する条件及び上限アルコール度に関する条件を除き、本政令のすべての条件を満たしていること。

  (2)分析及び官能検査において第9条に定められた条件と同一の条件によって証明書が発行されていること。

  1986年以前に生産されたワインについては、本政令の発行後3カ月以内に上記措置が認められなければならない。卸売り業者が所有しているワインについても同様とする。この場合、いずれにしても、公正取引、消費、不正防止当局による試料採取(plelevements d'echantillons)が実施される。

第13条 「ブルゴーニュ」、「ブルゴーニュ・ロゼ」又は「ブルゴーニュ・クレレ」に付記される「マルサネー・ラ・コート」又は「マルサネー」の語句の表示に関する1965年6月3日付け政令の規定は、廃止する。

第14条  国務大臣、経済・財政・民営化大臣、農務大臣及び経済・財政・民営化大臣の下での消費及び公正取引担当閣外相は、各々の担当分野において、フランス共和国官報に掲載される本政令の実施について責任を有する。


高橋 梯二 訳
この資料は、農政調査委員会「のびゆく農業947」、2004年2月に掲載されたものである。

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