「ロックフォール」チーズの生産条件に関する政令

  ーロックフォール原産地呼称に関する1986年12月29日付け政令ー
   (1990年法によりAOCに格上げされる以前の政令)

第1条  原産地呼称「ロックフォール」は、雌羊の乳から造られ、1925年7月26日付け法律の定義に従い、また、本政令に定められた地域の、忠実な、継続的な方法によって製造されたものについて、販売又は輸出の目的で流通し、所有されているものに用いられる。

  雌羊の乳の生産及びチーズの製造は、次に掲げる地理上の地域の中で行われなければならない。

  以下の県の全市町村

    アルプ・マリテム、 アベイロン、 オード、 ブーシュ・ド・ローヌ、 オート  コルス、  コルス・デュ・シュッド、 ガール、 ジュール、 ジロンド、 エ  ロ 、 ロット・   エ・ガロンヌ、 ロゼール、ピレネー・アトランテック、   タルヌ、 タルヌ・ エ・ガロンヌ、

  以下の県に属する郡で、以下に掲げる郡又は区

    アルプ・ド・オート・プロヴァンス県:  バルセロネット郡、カステランヌ郡

    ドルドーニュ県:  ベルジュラック郡、サルラ・ラ・カネダ郡

    オートガロンヌ県:  トールーズ郡

    ランド県:  モン・ド・マルサン郡のうちヴィルヌーブ・ド・マルサン区

    ロット県:  カオール郡

第2条  ロックフォールチーズは、アベイロン県ロックフォール・シュール・スールゾン村の天然のカーブ(洞窟)で最低3カ月間熟成されなければならない。このカーブは、コンバル山の崩れ落ちた岩石の地帯に存在していおり、石灰岩の亀裂を通じて新鮮で湿った空気の天然の循環が行われているカーブであるが、ミロの大審裁判所の1961年の判決によって決定されているものである。

  ロックフォールチーズの調製及び包装は、カーブからの搬出と販売の間までにロックフォール村で行われなければならない。販売のために搬出される前にロックフォールチーズの貯蔵のために利用される冷蔵室(chambres frigorifiques)は、ロックフォール村に設置されなければならない。

第3条 ロックフォールの原産地呼称が用いられるチーズは、雌羊の自然の状態の乳のみから造られ、直径19ー20センチメートル、高さ8・5ー10・5センチメートル、重量 2・5ー2・9kg の円筒形に形作られ、パセリのパテが含まれ、ペニシリユム・ロックフォルティの黴が添加され、発酵され、圧縮されず、加熱されず、食塩が加えられ、表面はやわらかく、乾燥終了後は、100グラム当たり最低5・2グラムの脂肪が含まれ、熟成後には、固形分が100グラム当たり56グラム以上でなければならない。

  使用されるペニシリユム・ロックフォルティの黴及びその粉末は、ロックフォール村の定められた地域の天然のカーブの環境条件の下で繁殖する伝統的な系統に由来するもので、かつ、フランスで調製されたものでなければならない。

第4条  雌羊の乳の生産、加工工場への配送、ロックフォールチーズの製造は、地域の、忠実な、継続的な方法によって行われなければならず、特に、以下の条件を満たしていなければならない。

  原料乳は、生産地域に適応した伝統的な種に属する羊で、常設畜舎(elevage en stabulation peremanente) 用の草とそれに補足的に与えられる穀物をベースとする伝統的な飼養方法による羊からのものでなければならない。

  原料乳は、出産後20日を経過していない雌羊からのものは、乳の生産者から加工工場に供給されてはならない。また、乳は、純粋、清浄で、脱脂が行われておらず、酸がなく、完全なtraiteを行ったものでなければならない。

  乳の配達及び加工工場の受け取りは、乳の生産者の配達量をあらかじめ定めた書類による年間契約によって行われる。

  ロックフォールチーズの製造は、最後の搾乳から48時間以内に凝乳酵素が添加されるものとする。

  乳の凝結は、凝乳酵素(presure)のみによってなされるものとする。

  食塩の添加方法は、直塩とする。

第5条  ロックフォールチーズの加工工場において、製造業者は、管理当局が閲覧可能なように、毎日、生産者から供給を受ける原料乳の量、生産するチーズの数量及び重量を記帳するものとする。また、月ごとの入荷・搬出の状況及び半月ごとの生産量について公正取引、消費、不正防止県当局に報告するものとする。

 また、 製造業者は、加工工場の操業開始時期を当該当局に通知するとともに、乳生産年度終了時に、終了の日、乳の生産者の氏名、乳の生産者ごとの供給量及び当該生産年度中に生産されたチーズの数量と重量を報告するものとする。

  熟成のためのロクフォール村のカーブにチーズを搬送するに当たり、製造業者は、出し入れ帳簿から搬出記録抄本を作成するものとする。

  本条の実施に関する事項は、全国チーズ原産地呼称委員会の意見に基づいて、農務大臣及び消費担当大臣の共同の規則で定める。

第6条  ロックフォールチーズの熟成のためのカーブの経営者は、月ごとに特別の出入記録を行わなければならず、この記録は、管理当局の閲覧のため保存されていなければならない。第二条に規定するロックフォールチーズを保管する冷蔵室の経営者は、前記の記録のほか、出入記録とは別に冷蔵室の搬出入についての資料を作成しなければならない。本条の適用に関する事項は、全国チーズ原産地呼称委員会の意見に基づいて、農務大臣及び消費担当大臣の共同の規則で定める。

第7条  ロックフォールチーズに適用される品質基準については、チーズの形、組成(感触)及び風味についての評価が対象となる。採点評価、サンプル採取及び管理の方法については、全国チーズ原産地呼称委員会の意見に基づいて以下の管理委員会の内部規則で定められる。

  ロックフォールの原産地呼称を使用するチズ及びその製造に使われる原材料の品質管理は、次の構成による管理委員会によって実施される。

  ミデイ・ピレネ地域農林地域当局の長又はその代理者

  公正取引、消費、不正防止地域当局の職業課の長又はその代理者

  全国チーズ原産地呼称委員会によって認められ、ロックフォール原産地呼称の保護を担当する職業組織によって指名された4人の専門家、この中から委員長が選任される。

  委員会は、管理の対象になったチーズについて定められた品質に達していない場合は、関係者に対して警告を発することができる。警告が通知された日から3カ月以内に管理が実施され、再度警告が発せられる。最長6カ月の間に二つの警告が発せられた場合、委員会は、原産地呼称の使用の停止を通知することができる。この通知は、受領の日の翌日から有効となる。この決定の通知以降15日ごとに管理が実施され、満足する結果が得られない限り、停止は継続される。

第8条  第7条に規定する職業組織は、毎年、全国チーズ原産地呼称委員会に対して統計及び経済上の事実並びにロックフォールの原産地呼称のチーズについての監視の実施に関する報告書を提出するものとする。

第9条  ロックフォールチーズの販売においては、チーズがカットされたものであっても、ラベル上の最大の文字の3分の2以上の大きさでロックフォールの原産地呼称の名前が記載された包装がなされなければならない。また、原産地呼称を使用するチーズのラベルには「C.N.A.O.F.」(全国チーズ原産地呼称委員会)の略号も記載されなければならない。

  ラベル、広告、請求書又は商業上の書類に、この呼称に付随して品質に関する言及を行うことは、赤雌羊のマーク、その他の商業上のマーク又は特別の製造についてのマーク以外は、すべて禁止される。

第10条  1925年7月26日付け法律及び本政令定められた条件を満たしていないチーズについて、ロックフォールの権利を有しているかのように購入者を信じさせるような表示を行った場合は、不正に関する一般的な法律及び原産地呼称の保護に関する法律が適用される。

第11条  1979年10月22日付けで改正されたロックフォール原産地呼称に関する政令は、廃止する。

第12条  国務大臣、経済、財政及び民営化大臣並びに農務大臣は、各々の担当分野においてフランス共和国官報に掲載される本政令の実施について責任を有する。

高橋梯二 訳

この資料は、農政調査委員会「のびゆく食品110」、1998年3月に掲載されたものである。


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